総務省が開設を進める「おためしサテライトオフィス」

2020年から猛威を振るう新型コロナウィルス感染はいまだ衰えを知らず、我々の生活の一部を脅かし続けています。その結果、多くの企業ではテレワークやリモートワークという新しいビジネススタイルを受け入れるようになり、本社にわざわざ出社しなくても事業が継続できることを肌で感じつつあります。

しかしながら、新しいビジネススタイルは万人に適したものでは必ずしもありませんが、IT企業などパソコン中心のビジネスであれば出社不要であると感じます。とはいえ、ある程度のコミュニケーション機会は必要となるのも事実。

そこで企業が新たに模索し始めたのが「サテライトオフィス」というあたらしいオフィス形態。本社から離れたエリアにオフィスを持つことによって、通勤コストを削減したり、子育てや介護といった家庭の事情で退職せざるを得ない社員を引き留めたりすることができるものとして注目されつつあります。

最近は、都心部における郊外型サテライトオフィスの他に、地方に拠点を作り新しいビジネスチャンスを創出しようと考える企業が増えてきました。そこで登場したのが「おためしサテライトオフィス」という名のプロジェクトです。

今回はこの「おためしサテライトオフィス」について詳しく見ていくことにしましょう。

サテライトオフィス導入メリット

そもそも、このサテライトオフィス導入にはどんな企業側にメリットがあるのでしょうか?

1.生産性向上

都市部での仕事は通勤や人間関係など何かとストレスがかかるもの。しかし地方に設置されたサテライトオフィスであれば、ストレスフリーな環境で仕事ができるため、結果的に生産力向上につながります。

さらに、ライフスタイルの多様化に伴い、様々な環境で働けるチャンスを得られるとあって、地方在住の優秀人材確保や子育てや介護などによる離職率減少へも効果を発揮します。

2.コストの削減

都心部と比べると地方は地価も物価も安いので、オフィス維持費を大きく下げることができるようになります。人件費も総じて安いため、固定費削減にはサテライトオフィス化が有効に働きます。

3.新しいビジネスチャンスの創出

地場産業や地方の学術機関と連携し、地域活性化に貢献するビジネスに関わることができるようになります。既存事業に行き詰まりを感じていた企業にとっては新たなビジネスチャンスの創出につながる期待が広がります。

4.リスク分散によるBCP対策

災害等による緊急事態時に一拠点しか持たない状態では、事業継続が困難になることすらあり得ます。サテライトオフィスを持つことにより、複数拠点での事業活動ができれば事業完全停止状態を避けることが可能となります。

 

サテライトオフィスがテレワークといったスタイルと異なる点として、テレワークの場合、在宅もしくはカフェなどのスペースを利用して仕事をすることが多く、職場と離れた環境であることから「対話ができない」「一人でやる仕事に孤独を感じる」ということが生じます。一人でも動じない強い精神力を持っている社員であれば問題ないものの、すべてがそんな社員ではありません。結果として生産性が下がってしまうこともあるわけです。

しかしサテライトオフィスであれば、本社から離れているとはいえ同僚がいる環境の中で仕事を行えますので、情報共有に不便さを感じることはありません。ただし、サテライトオフィスを単なる一支店として捉えるのではなく、本社と変わらない設置・機能させることが企業側に求められることと思われます。

おためしサテライトオフィスとは?

総務省は都市部から地方へ人や情報を促すのを目的として、地方公共団体のサテライトオフィス誘致の取り組みに対し「おためしサテライトオフィス」などの支援を行っています。

おためしサテライトオフィスプロジェクトとは、サテライトオフィス開設を検討している企業があれば、期間限定ですが興味のある自治体にてお試し勤務を実施するサポートを行うものです。具体的な支援としては、執務環境の提供や現地勤務時での地域紹介イベント、既参入企業とのコミュニケーションの場提供などがあります。

たとえば導入に関して

  • どんな場所が最適かどうかの判断がつかない
  • インフラ整備が面倒
  • その地域で人材確保できる保証がない

といった悩みがある場合、総務省が採択した地方自治体でインフラ完備された施設を準備してくれます。その場所が気に入った場合には、本オフィス設置に向けてさらに自治体からバックアップを受けることが可能となります。

バックアップ内容ですが、テレワーク環境整備費用の一部を総務省が補助する「ふるさとテレワーク推進事業」の活用や受け入れ側の地方公共団体による財政支援措置などが考えられています。

おためしサテライト地は以下のエリアとなっています。

北海道/青森県/岩手県/秋田県/茨城県/栃木県/群馬県/埼玉県/千葉県/新潟県/富山県/県石川県/福井県/長野県/岐阜県/山梨県/静岡県/愛知県/三重県/京都府/大阪府/兵庫県/奈良県/島根県/広島県/山口県/大分県/福岡県/佐賀県/長崎県/熊本県/鹿児島県/沖縄県

おためしサテライトオフィスの現状

おためしサテライトオフィス開設の状況はどのような感じなのでしょう?

総務省の発表した統計データによりますと、地方公共団体が誘致または関与したサテライトオフィスの開設数は最新データとなる令和元年度末の時点で654か所となっています。開設総数自体は822か所でしたが168か所で減少となったため、このような数値となっている模様です。都道府県別に見てみると、最多開設数は北海道の74か所となっています。

多くは情報サービス業(ソフトウェア開発、ホームページ・Web制作、データ入力、広告作成など)となっており、IT業種はサテライトオフィス化しやすいことが顕著であることがわかる結果となっています。

またサテライトオフィスの形態としては、独自事務所の形をしているものが71%、シェアオフィスが26%となっており、入居形態は常駐社員(1~5名)を配置しているのが73%、常駐社員を置かず、短期的利用にとどまっているのが25%となっています。

この「おためしサテライトオフィス」によって企業が地方に進出する波及効果が出ており、

  • 地元住民の雇用機会創出
  • 移住者増加
  • 空き家や空き店舗の活用
  • 交流人口等の拡大
  • 地場産業とのコラボによる新規ビジネスの創出
  • 地域活性化

というメリットが生まれているという報告が上がっている一方、

  • 企業側の求めている地元の人材不足
  • ビジネスマッチングの機会不足
  • 進出する企業への支援活動不足

などの問題を抱えており、企業側のメリットをさらに増やさない事には、地方創生を目指したサテライトオフィス化は根付いていかないという懸念点も上がっているようです。

関東エリアでサテライトオフィスを探すなら?

東京都内にある企業の場合、総務省がしている「お試しサテライト地」に同じ東京都内は含まれません。とはいえ、都内にある企業に通勤者がいる近隣県(千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県)にはいくつかのサテライト地があります。

関東近辺のサテライト地

千葉県:南房総市・銚子市・一宮市・勝浦市

埼玉県:秩父市

群馬県:みなかみ町・上野村

栃木県:那須町・矢板市

茨城県:大子町・結城市

一定の人数(1~5人)の社員がこれらのサテライト地付近に在住しているのであれば、「おためしサテライトオフィス」プロジェクトを活用して、新たな拠点作りを目指すのも良いかもしれませんね。

サテライトオフィスに銀座アドレスを!銀座にあるレンタルオフィス「銀座ビジネスセンター」

関東エリアにある企業のサテライトオフィスとして、「レンタルオフィス」を活用するという企業も多く存在します。独自事務所型のサテライトオフィスを作るとなると、コストが余計にかかり、サテライトオフィスを作るメリットが薄れてしまいがちです。

しかしレンタルオフィスであれば、初期導入コストも大幅に抑えることができることから、企業としては容易にサテライトオフィス化に取り組むことが出来るようになります。

とはいえ、契約可能なレンタルオフィスならどれでもよい、というわけにはいかないのが企業の論理。できることなら「人が呼べる」「住所的にいい印象を与えられる」「駅から近い」レンタルオフィスでなければあまり設置メリットを享受することが出来ません。

そこでエリアとしては銀座という立地にあり、バーチャルオフィス機能も備わっているレンタルオフィス「銀座ビジネスセンター」をここではご紹介します。

「銀座ビジネスセンター」は2000年から20年以上にわたる運営実績を誇るレンタルオフィス。完全個室型のレンタルオフィスながら、月額11,000円(税込)~の料金で銀座にアドレスを持てるとあって、中小企業や士業、個人事業主を中心に人気のレンタルオフィスとなっています。

アクセスも東京メトロ銀座駅から2分、JR有楽町駅からは5分と非常に便利。特に総武線や京葉線などを利用する千葉方面在住者が多い企業であればサテライトオフィスとして十分成り立ちます。

「銀座ビジネスセンター」の一番のメリットは「銀座」というアドレスを利用したビジネス展開ができること。法人登記や銀行口座開設可能なアドレスが使えるレンタルオフィスなので、本社が郊外にある企業の東京都内の営業拠点(銀座営業所)にもなります。

また「銀座ビジネスセンター」は時間貸しレンタルオフィス(1時間1,760円(税込)~)という形態を取っていますので、社員が常駐できない企業であっても、定期ミーティングや面談等で個室レンタルしたい時だけ利用することができてかなり経済的です。

さらに「銀座ビジネスセンター」は、バーチャルオフィス機能が備わったレンタルオフィスとして、郵便物や宅配物受取・転送サービス、電話・FAX対応(プランによります)が利用できるため、普段は個々人がテレワーク、ただし週に1回はオフィスで全体業務をこなす、というケースにもってこいのオフィスと言えるでしょう。

大手企業の自社ビル売却や郊外移転も相次ぐ中、コロナ禍以降の働き方として、レンタルオフィスやサテライトオフィスといったフレキシブルな労働形態を受け入れられるオフィスを持つことが、企業生き残りへの道となるかもしれませんね。

筆者お気に入りのレンタルオフィス
レンタルオフィス銀座ビジネスセンター

詳細はこちらまで

「業界の先駆者」としての信頼と実績!秘書サービスも魅力。
今では一般的になったレンタルオフィスですが、その先駆者とも言えるのがレンタルオフィス銀座ビジネスセンターです。信頼と実績に加え、常時10名の秘書が提供する丁寧で正確な秘書サービスが強みです。
形態 レンタルオフィス、バーチャルオフィス
料金 月額11,000円(税込)~
拠点 銀座
評価

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

貸オフィス空室率が上昇!拠点の分散化に役立つサテライトオフィス

レンタルオフィス利用のリスクとは?

法人登記後に後悔しない銀座のバーチャルオフィス

絶対に失敗しない!レンタルオフィスの選び方

士業の開業用事務所として本当に使えるレンタルオフィス

シェアオフィスを実際に使ってみて不便に思った理由