小規模企業にはオフィス不要!これが本当の働き方改革

2024年に入りコロナ禍の影響はどこ吹く風か、コロナ前の日常を戻しつつあるような感覚を受けます。ビジネスにおいては相変わらずテレワークを行う会社はあるものの、多くの会社ではオフィス出勤が普通に行われるようになり、特別な理由がない限りオフィスで仕事をする流れが戻りつつあります。

もともと大企業ではテレワークの導入は積極的に行われていたものの、中小企業をはじめとした小規模事業者はテレワークがそれほど導入されていませんでした。そんな中、テレワークで脚光を浴びるようになったレンタルオフィスやシェアオフィスといったオフィスを活用するほうがコストメリットは高いと気づいた企業も増え、オフィスを縮小化する流れはいまだ続いています。

働き方改革とコロナでオフィスの存在意義に変化が到来

これまで、仕事場としてのオフィスはサラリーマンにとっては闘う戦場であり、毎日の出社により生活の糧を得るための大事な場所でありました。しかし、パソコン仕事が増えたことになりオフィス以外の場所でもパソコンを持ち歩けば仕事ができる時代に突入、自宅やカフェ、レンタルオフィスやシェアオフィスなどで働いてもオフィス仕事と同等の作業が行えることがわかってきたのです。それに輪をかけて2019年に政府が働き方改革を提唱し、働き方についての多様性を認めました。

こうなると、オフィスの存在はコストでしかなくなります。大企業のように大人数を抱えていない小規模事業者であっても、オフィスは毎月の大きなコストです。数十万~数百万の賃料は生産性が高くても低くても、休みの日もかかってくるわけです。コロナ禍には出勤停止といったこともあり、人々はオフィスなしで仕事をしなければなりませんでした。これでは仕事ができない、そう思った会社は多かったのではないでしょうか。ところが、実際はオフィス無しで自宅でも仕事を回すことが十分できたのです。

オフィスは信用のバロメーターなのか?

ビジネスにおいてオフィスの所在地は無くてはならないものです。そのオフィスの場所もビジネスにおいてクライアントや取引相手への信用要因となるものと考えられています。

リアルなオフィスを構えるためには、イニシャルコストランニングコストともかなりの費用を要しますが、現在はレンタルオフィスやシェアオフィスなどコストを抑えてもオフィスを持つことができます。それに、レンタルオフィスやシェアオフィスは構えるオフィスの場所も選べるという高いメリットを持っています。たとえば、東京に住んでいない人でも東京にオフィスを持つことができますし、実際の拠点は東京23区外の会社でも都心部23区内にオフィスを持つことができます。

このようにオフィスの場所は日本国内のどこでも持つことができる、そんな時代になっています。そうなると、できるだけステータスの高いエリアにオフィスを持つことも資金がない小規模事業者でも可能になるわけです。極端な話、資本金1円でまだ立ち上げたばかりの会社でも、東京都港区六本木にオフィスを持つことができますし、海外とビジネスをやり取りする会社が海外の人にも良く知られている知名度の高い銀座にオフィスを構えることもできるのです。

実際に東京都内を例に挙げると、新宿・渋谷・六本木・銀座・秋葉原・丸ノ内・日本橋などはビジネスが活況のエリアといえる場所ですが、このようなエリアにあるレンタルオフィスやシェアオフィスと契約して登記すれば、実態は別の場所にあったとしても対外的には都内一等地にオフィスがある会社という体でビジネスができます。そのような知恵と知識を付けたビジネスパーソンは実際に数多くおり、小規模事業者ながらも大企業との取引を実現し信用を勝ち得ているところもあります。

一方で、レンタルオフィスやシェアオフィスの存在を知らないで起業した人の中には、自宅を登記したという方も数多くいます。その自宅が郊外のベットタウンだったり、オフィス街とは縁遠いエリアだったりとなれば、取引相手に不安を与えることもあるかもしれません。実際に大企業は、新しい取引先を選定する際に企業の実績や住所を調べることがあります。最近はSNSをやっている人も多く個人情報がうるさい時代ですが、情報収集は容易にできます。そんな時代に会社所在地が自宅兼オフィスとなっているところでも取引に応じてくれる企業はありますが、それもある程度取引実績があってのこと。いくつかの企業とのコンペ案件などでは負けてしまう可能性が高いのも事実です。

テレワークに不向きな企業もある

もちろんテレワークがしやすい企業とそうでない企業は存在するため、一概にオフィスをコストと考えてオフィスを縮小することについては万人受けするものではありません。たとえば、レンタルオフィスやシェアオフィスでは業務を行えない職種や業種は存在します。医療関係はレンタルオフィスやシェアオフィスでできませんし接客業も難しいでしょう。

レンタルオフィスよりもさらに条件が厳しいのがバーチャルオフィス。もともと作業スペースをもたない前提で住所貸しの恩恵を受けたい人が利用するバーチャルオフィスは箱と呼ばれるオフィスを持たないので派遣業ができない、士業もできないなどの制約があります。

そういった意味で、レンタルオフィスやシェアオフィスが利用しやすい業種はIT関連、製造関連、コンサルタント、ネットショップ関連ビジネスなどに従事している方となります。なかでもIT関連ビジネスに関わっている人は、リアルオフィスを持たず積極的にレンタルオフィスやシェアオフィスを利用すべきです。

よく起業したての人はオフィス内装に金をかけてしまいがちですが、それだけで事業をスタートさせる前から多額の借り入れを抱えたりマイナスからのスタートとなってしまいます。でもレンタルオフィスやシェアオフィスからスタートすれば、初期費用は多少かかってもランニングコストを大幅に抑えられます。オフィス備品などを伸長する必要なく、レンタルオフィスやシェアオフィスに備わっているものを利用することができるためとても便利です。

レンタルオフィスやシェアオフィスを極限まで安く利用しつくすには?

レンタルオフィスやシェアオフィスでも固定費は発生します。何人かの社員がいる会社であればある程度の部屋の広さは確保しなければなりません。当然部屋が広くなればなるほどコストはアップしますが、レンタルオフィスやシェアオフィスは部屋の広さのアップにも柔軟に対応していることも多く、レンタルオフィスの場合部屋の空きがあれば、スライドして部屋を大きくすることができるところもあります。反対に小さくすることもできるなど、利用シーンに応じて部屋サイズを調整できるのも魅力です。

ただ、これらの話は固定型のレンタルオフィスだと難しかったりします。そこでレンタルオフィスの中でも利用した分だけ費用が発生する時間貸しのレンタルオフィスを上手に活用し、バーチャルオフィスと連動させることができれば、コストをさらに抑えることができます。たとえば、メインの契約をバーチャルオフィスとしておき、お客様との商談の際にのみレンタルオフィスの個室や会議室を活用する。そうして、普段は個室料金が発生しないように自宅やカフェなどで作業を行えば、レンタルオフィスやシェアオフィスの利用料は安く済ませられます。交通費も削減できるので会社としては究極のコストカットができるのです。

モチベーションをどう保つか?

最近はチャットワークなどのグループチャットが非常に便利で案件管理やタスク管理などをどこにいても容易に行うことができます。よくテレワークでは人と会わないのでモチベーションが上がらないという声も聞きますが、仕事に集中できるタイプの人はそれほどテレワークが苦になりませんし、常にチャットツールを立ち上げていれば、離れていてもメンバーやクライアントと繋がることはできます。

最近のシェアオフィスは、契約すれば運営会社が設置している拠点であればどこでも利用可のところもあります。気分を変えるために今日は渋谷で明日は新宿、全体ミーティングはみんなの集まりやすい丸ノ内で、という活用も普通にテレワークが当たり前の時代では行われています。

これまでの既成概念は捨て去れ

終身雇用が謳われた時代を今の50代ですら知らない時代が到来しています。昔は会社に属している=会社に出社し他の社員と共に会社の売り上げに貢献する、という考え方でした。しかし、今は世界中のどこにいてもネットを介して仕事ができる時代です。パソコンやスマートフォンさえあればオフィスを持たなくても仕事ができるのです。

フルリモートは今や当たり前とされ、これまで年配の方でデジタル活用に懸念を抱いていた層の人々も、今ではほとんどの人がスマートフォンやパソコンでビジネスをしています。つまりオフィス=パソコン(スマートフォン)という概念ができつつあります。今やできる人ほどオフィスを持ちません。ただ対外的にはオフィスの概念持っておかなければ、信用性が薄れてしまいますので、レンタルオフィスやシェアオフィスを活用するのが賢明な選択といえます。

「レンタルオフィスやシェアオフィスはコストのない人が利用するものだ」そのように考える年配の方もいるかもしれませんが、これまでの既成概念が当てはまらない時代です。レンタルオフィスやシェアオフィスを活用することで、結果的に給与をアップさせることができることを忘れてはなりません。人は会社の宝となりますが、オフィスはコストにしかならないのです。新しい働き方の実現に向けてオフィスコストを見直すことは、会社存続にも大きな影響を及ぼします。業績が思った以上に伸びない、無駄なコストを削りたいと考えている方は、レンタルオフィスやシェアオフィス活用が次なる突破口となるかもしれません。

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